
大切な住まいを守っているのは「屋根」と言っても過言ではありません。

屋根は日々の厳しい環境条件、季節の変動、そして時の流れによって少しずつ劣化や損傷が生じていきます。
そのため、メンテナンスや修理が欠かせません。
屋根材として注目されている「ガルバリウム鋼板」。
アルミと亜鉛が主成分の特殊な合金で、耐久性と耐食性を兼ね備えており、とても人気のあ
る屋根材です。
この記事では、ガルバリウム鋼板の屋根材としての利用に焦点を当て、ガルバリウム鋼板の
特徴からメリット・デメリット、耐久性やメンテナンス方法について詳しく解説します。
1 ガルバリウム鋼板の特徴
1-1 ガルバリウム鋼板の特徴

ガルバリウム鋼板は、鉄を基盤にアルミニウムと亜鉛を主成分とする合金層で覆われた鋼板
であり、その特性が高い評価を受け、広く建築業界で利用されています。
ガルバリウム鋼板は他の屋根材と比較して高い耐久性を持つと注目されています。
ガルバリウム鋼板は、合金層で覆われているために内部の金属が腐食しにくく、高い耐久性
をもたらしています。
さらに、ガルバリウム鋼板は軽量でありながら高い強度を持つため、取り扱いが容易であり
、建設やリフォームの現場での作業効率を向上させることができます。
1-2 ガルバリウム鋼板の耐用年数
ガルバリウム鋼板の耐用年数は、一般的に25年〜35年とされています。
耐食性や耐久性に優れているため、長期間にわたって建物の屋根、さらには建物そのものの
耐久性を守ることができます。
ただ、ガルバリウム鋼板の耐久性は環境やメンテナンスの状況に大きく影響を受けます。
つまり、メンテナンスが適切に行われ、外部からのダメージが最小限であれば、さらにその
耐用年数を伸ばすことが可能です。
そのため、錆びによって穴が開くようなことがなければ、耐用年数は40年以上に及ぶこと
も十分可能とされています。
そのように耐用年数を維持するためには定期的な清掃や、必要に応じて塗装を更新するなど
のメンテナンスを行い、錆びや汚れを防ぐことが重要です。
メンテナンスを怠ったり、適切に行わなかったりした場合には、その耐用年数は短くなる可
能性があります。
2 ガルバリウム鋼板のメリット・デメリット
2-1 ガルバリウム鋼板のメリット
ガルバリウム鋼板は、その特性から多くのメリットが存在します。
ガルバリウム鋼板の一番のメリットは『耐久性』にあります。
腐食しにくい耐食性と特殊な合金による強度により、25年から35年という一般的な耐用年
数を期待することができます。
適切なメンテナンスと使用環境が確保されていれば、さらにその耐用年数を伸ばすことも可
能で、40年以上の使用も十分に見込むことができます。
また、金属製の屋根材としては比較的『軽量』であるため、建物への負担を軽減することが
可能です。
これにより、建物へのストレスが少なく、建築物の安定性や耐久性に良い影響を与えます。
さらに、断熱材一体型のガルバリウム鋼板が提供する『断熱性』は、省エネでエアコン効率
の高い建物を実現できます。
断熱材一体型ガルバリウム鋼板は、屋根材と断熱材が一体化されており、屋根からの熱の流
入や流出を効果的に防ぐことができます。
これにより、冷暖房費の節約や快適な室温維持が期待できるのです。
2-2 ガルバリウム鋼板のデメリット
一方で、ガルバリウム鋼板にもいくつかのデメリットが存在します。
まず一つ目のデメリットとして、『施工費用が高め』である点が挙げられます。
ガルバリウム鋼板はその耐久性と耐食性に優れ、長期的なコストパフォーマンスは非常に高
いとされますが、初期投資としては他の屋根材と比較して割高となることが多いです。
そのため、一時的な予算を抑えたいと考えている場合には注意が必要です。
また、ガルバリウム鋼板はその耐食性に優れていますが、それでも100%錆びるリスクを排
除できず、表面の塗装が傷ついてしまうと、錆びるリスクが高まります。
これを防ぐためには定期的なメンテナンスや、適切な塗装の塗り替えが必要となります。
また、ガルバリウム鋼板は強度に優れていますが、大きな衝撃には凹むリスクがあります。
例えば、大きな雹が降った場合や、何かが屋根に落下した場合などには、凹みや傷が生じる
可能性があります。
これらのダメージは見た目に影響を及ぼすだけでなく、長期的には耐久性や耐食性にも影響
を与える可能性があるため、注意が必要です。
3 リフォームと新築で活用されているガルバリウム鋼板
3-1 屋根カバー工法

屋根カバー工法は、その名の通り既存の屋根の上に新たな屋根材を覆いかぶせる工法で、そ
の効率性とコストパフォーマンスからリフォーム時によく選択されます。
特にガルバリウム鋼板はその特性から屋根カバー工法における利便性が高いとされ、多くの
ケースで採用されています。
屋根カバー工法を選択する大きな理由の一つは、施工時間が短縮される点です。
既存の屋根を取り外す必要がないため、新たな屋根材を上から直接取り付けることで、一般
的なリフォームに比べて作業時間が大幅に短縮されます。
ガルバリウム鋼板がこの工法において優れている理由の一つは、その軽量性にあります。
既存の屋根材の上に追加の重量を加えるため、新たな屋根材はできるだけ軽量であることが
求められます。
ガルバリウム鋼板は金属製の屋根材の中でも軽量な部類に入るため、構造的な負担を最小限
に抑えつつ、既存の屋根に覆いかぶせることができます。
また、ガルバリウム鋼板は耐食性と耐久性に優れているため、屋根カバー工法において長期
間にわたる保護が可能になります。
3-2 金属屋根のシェアは屋根材でトップ

現在の日本の屋根材市場では、金属屋根のシェアが非常に高いことが指摘されています。
株式会社屋根経済研究所の2022年の調査によれば、屋根材の中で最も多く使用されている
のが金属屋根で、全体の63.2%を占めています。
それに対して、スレート屋根は15.0%、陶器瓦は13.4%、アスファルトシングルは5.6%、石
粒付き金属屋根は2.8%と、いずれも金属屋根のシェアには及ばない結果となっています。
金属屋根が多く使用される理由は、その特性によるものです。
特に、ガルバリウム鋼板などの金属屋根は耐久性と耐食性が高く、軽量性から建物への負担
が少ないという特長を持ちます。
また、メンテナンスも容易であり、屋根カバー工法によるリフォームにも適しています。そ
のため、新築だけでなく、リフォーム時の屋根材選択でもよく採用されています。
さらに、断熱材一体型のガルバリウム鋼板を使用することで、エネルギー効率の改善も期待
できます。
これらの特性が、金属屋根が屋根材市場でトップのシェアを占める大きな要因となっていま
す。
4 縦葺きと横葺きについて
4-1 縦葺きの金属屋根の特徴

縦葺きの金属屋根は、屋根材を屋根の傾斜に沿って縦方向に配置することで形成されていま
す。
縦方向に仕上げられた金属屋根は、スタイリッシュでモダンな外観を提供し、近代的な建築
デザインにマッチします。
縦葺きの金属屋根は、施工にかかる日数が短く、材料費も比較的安価というメリットがあり
ます。
そのため、新築に用いられやすいと言えます。
新築時にはコストや施工期間を抑えることが求められることが多いため、縦葺きの金属屋根
はそのニーズに適合します。
4-2 横葺きの金属屋根の特徴

横葺きの金属屋根はその名の通り、屋根材を屋根の傾斜に対して横方向、つまり軒先から棟
へと向かって並べていく葺き方を指します。
横葺きの金属屋根は、断熱性能が高い商品が多いという特徴があります。これにより、屋内
の温度を一定に保つ効果があり、エネルギー消費を抑えることができます。
また、複雑な屋根の形状でも施工が可能な点がメリットとなっています。そのため、複雑な
形状や、一部が突出したデザインの屋根にも対応可能です。
さらに近年では、屋根リフォームにおいては横葺きの金属屋根が主流となっています。
これらの特性から、横葺きの金属屋根は、断熱性能や施工性の面で優れ、リフォームにも適
していると言えます。
5 エスジーエル鋼板との違い
5-1 エスジーエル鋼板とは

エスジーエル鋼板とは、ガルバリウム鋼板の改良版として開発された金属屋根材料で、より
優れた耐久性と長寿命性を備えています。
ガルバリウム鋼板が一般的に25年から35年の耐用年数を持つとされるのに対し、エスジー
エル鋼板はその性能をさらに上回ると言われています。
錆びの影響を最小限に抑える特性を持つため、エスジーエル鋼板の寿命は一般的にガルバリ
ウム鋼板よりも長いとされているのです。
これは、エスジーエル鋼板がガルバリウム鋼板の亜鉛・アルミニウム系の保護層に更に特殊
なメッキを施したことによるものです。
マグネシウムを含んだメッキによって鋼板本体を外部環境から守り、特に湿度やリスクの高
い環境での腐食を防ぐ役割を果たします。
これらの特性により、エスジーエル鋼板は特に厳しい気象条件下でも優れた性能を発揮し、
その耐久性と長寿命性から多くの建物にとって魅力的な選択肢となっています。
5-2 エスジーエル鋼板とガルバリウム鋼板の違い


ガルバリウム鋼板 エスジーエル鋼板
エスジーエル鋼板はガルバリウム鋼板を基に改良されています。
ガルバリウム鋼板は亜鉛とアルミニウムを主成分とするメッキ層を持っているのに対し、エ
スジーエル鋼板はさらにメッキ層にマグネシウムを含むことで、保護機能を大幅に強化して
います。
マグネシウムは鋼板とメッキ層との間で強い結合力を持ち、錆びの進行を大幅に遅らせるこ
とが可能となります。
このため、エスジーエル鋼板はガルバリウム鋼板と比べて3倍以上の耐食性を誇ります。
また、エスジーエル鋼板の耐食性は、特に海沿いや高湿度の地域でその価値を発揮します。
これらの地域では、ガルバリウム鋼板が錆びやすいという問題がありますが、エスジーエル
鋼板はマグネシウムが含まれていることによりその問題を克服しています。
これらの特性により、エスジーエル鋼板は高い耐久性と耐食性を必要とする環境に対して優
れた選択肢となります。
ただその一方で、ガルバリウム鋼板もその軽さやコスト面で優れた特性を持つため、必ずし
もエスジーエル鋼板がすべてのケースで最適とは限りません。
6 ガルバリウム鋼板の屋根に怖い『錆び』
6-1 錆びの影響とは
ガルバリウム鋼板の屋根は、高い耐久性と美しい仕上がりが特徴ですが、環境条件によって
は錆びるリスクが伴います。
特に海沿いや高湿度、高塩分の地域では、鋼板の表面に錆が発生しやすいとされています。
錆の影響は徐々に進行し、長期的に見ると、最終的には鋼板に穴が開く可能性もあります。
これは、鋼板の主要な機能である防水性や保護性を脅かし、さらには建物全体の損傷に繋が
る恐れがあります。
そのため、ガルバリウム鋼板を用いる場合は、錆びが発生しやすい環境を理解することが重
要となります。
これらの錆びの影響を最小限に抑えるためには、定期的なメンテナンスが大切です。
6-2 錆びの原因
ガルバリウム鋼板の屋根における錆びは、さまざまな原因が考えられますが、その中でよく
あるものを数点ご紹介しましょう。
海岸近くや高塩分地域、高湿度地域においては錆びの発生リスクが高まります。
これは、海風や雨水に含まれる塩分が鋼板の表面に付着し、その結果として腐食反応を引き
起こすためです。また、大気汚染による酸性雨も鋼板の腐食を加速します。
また、屋根の表面に付着した塵や汚れ、樹脂、鳥のフン等の不純物は、鋼板の表面を覆うた
めに、錆びの発生が促進されることがあります。
さらには、勾配が緩い屋根は水が滞留しやすく、鋼板の錆びを促進することもあります。
これらの要素を理解することで、ガルバリウム鋼板の屋根の錆びの予防と早期対策が可能に
なります。
7 ガルバリウム鋼板の屋根のメンテナンス方法
ガルバリウム鋼板の屋根のメンテナンスは、耐久性を保つために重要です。
まず、定期的に錆びの確認を行うことが重要です。
錆びが見つかった場合は、速やかに専門業者に相談し、適切な処置を施すべきです。
初期段階であれば部分的な補修や塗装で対応可能な場合もありますが、進行している場合は
鋼板の交換が必要になることもあります。
また、シーリング材は、屋根の接続部分や穴からの水漏れを防ぐ役割を果たしますが、時間
と共に硬化や劣化が進行し、その機能を失ってしまいます。
そのため、定期的にシーリング材の状態をチェックし、必要に応じて補修や交換を行うこと
が重要です。
ガルバリウム鋼板の表面には塗膜が施されていますが、紫外線や雨風による劣化が進行する
と、塗膜が剥がれたり、色褪せたりします。
これを放置すると、錆びの発生を助長する可能性があります。そのため、塗膜の状態を定期
的に確認し、劣化が見られる場合は塗装の塗り替えを検討するべきです。
8 ガルバリウム鋼板の屋根によくある質問
8-1 ガルバリウム鋼板の屋根は30年以上もつ?
ガルバリウム鋼板の屋根は、その耐久性から30年以上持つことが一般的とされています。
しかし、その寿命は環境やメンテナンスの状況によって大きく左右されます。
定期的なメンテナンスを行い、錆びや塗膜の劣化などの問題を早期に発見・対処することで
、30年以上の耐久性が期待できます。
そのため、ガルバリウム鋼板の屋根の長寿命性を保つためには、適切なメンテナンスが必要
不可欠であると言えるでしょう。
8-2 ガルバリウム鋼板とエスジーエル鋼板はどちらがいい?
エスジーエル鋼板は、ガルバリウム鋼板を改良したもので、メッキにマグネシウムを含むこ
とで、ガルバリウム鋼板の3倍以上の耐食性を誇ります。
この高い耐食性と耐久性は、特に海沿いや雪の多い地域、または酸性雨などの厳しい環境下
での使用においてメリットとなります。
一方で、エスジーエル鋼板のコストは、ガルバリウム鋼板よりも高くなります。
したがって、予算や使用環境、さらには予想される耐用年数などを総合的に考慮し、最もコ
ストパフォーマンスの良い選択をすることが重要となります。
8-3 おすすめの金属屋根は?
一般的に、『断熱材一体型の横葺き屋根』がおすすめと言えます。
断熱材一体型の横葺き屋根は、高い断熱性能を備えており、熱効率を高めることで冷暖房の
コストを削減することができます。
また、断熱性能が高いということは、屋内の快適性を維持しやすいということでもあります。
さらに、横葺き屋根の利点として、複雑な屋根の形状でも施工が可能であることを挙げるこ
とができます。
特にリフォーム時には、元の建物の形状に合わせて施工が可能なことが求められますから、
この横葺き屋根の特徴は大きな利点となります。
一方で、初期投資は高めとなる可能性がありますが、長期的な視点で見れば、高い耐久性と
断熱性による運転費の削減が見込めますので、コストパフォーマンスも非常に優れています。
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